【hiveびと】どん底からのチャレンジ 牧場経営者がエントリーした理由

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「hiveびと」では、これまでにkintone hiveに登壇してくださった方にインタビュー。「なぜkinotne hiveにエントリーしようと思ったのか」「登壇することでどんな変化が起こったのか」について生の声を伺っていきます。

今回は、kintone AWARD 2019グランプリ、株式会社ゆうぼくの代表取締役 岡崎 晋也さんにお話を伺いました。

------岡崎さん、ご無沙汰しています。コロナ禍で生産者さんに様々な影響が出ているとニュースで目にしますが、いかがですか?

当初は影響を受けたのですが、実は今年度(2020年)、過去最高の業績を達成できそうなんです。

------おめでとうございます!好調の理由は、EC(ネット販売)ですか?

ECも要因の一つなのですが、牧場での事故率低減や販売・加工チームによる新商品開発、またレストランチームで始めたテイクアウトも非常にご好評をいただいています。松山市内で始まったとある宅配サービスに参加したところ、人気No.1に選んでいただきました。現在でも定期的に購入いただけるお得意様が増えています。

hivebito3-1.jpg <テイクアウトで人気のお弁当>

------それは素晴らしいですね。新商品開発やテイクアウトの発案は岡崎さんからですか?

いえ、社員のアイデアです。最近は社員が自らアイデアを出して、どんどん実行してくれています。自分で考えて動ける集団になってきたなと感じます。僕はやることがなくなってきちゃって(笑)。

hivebito3-2.jpg<ゆうぼく社員のみなさん>

------経営者にとっては理想的な状況ではないでしょうか(笑)。そんな岡崎さんがkintone hiveにエントリーされたきっかけを教えてください。

2018年くらいにサイボウズの松山の社員の方からkintone hiveの存在を教えてもらいました。実はその頃、自分にとって「人生のどん底」だったんです。西日本豪雨災害で被害を受けた上に、身内の急逝や社内のトラブルも重なりました。

------本当に大変なことが重なったんですね。

「このどん底からなんとか抜け出したい。そのためには自分を変えていかなければ」と考え始めた時に、kintone hiveを知りました。

幕張メッセみたいな大きな会場で登壇することに漠然とした憧れはありました。ある意味、ビジネスマンにとっての甲子園とか花園みたいな感じですよね。

hivebito3-3.jpg  <kintone AWARD 2019の会場>

そのころの自分は経営者として「これ」という実績を持っていませんでした。何か実績を作って、会社としてもビジネスマンとしても軌跡を作りたいと思いました。

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------なるほど。その意気込みのせいか、kintone hive matsuyamaではすごく自信に満ち溢れているように見えました。

実は僕、表に出て喋るのは苦手だったんです。極度のあがり症で(笑)。学生の頃バレー部で、勧誘のために部活紹介をすることになったんですが、学生約千人の前に立ったとたん、頭が真っ白になって何も喋れなくなりました。その時に自分はあがり症だということを自覚しました。

今でも「社長」という立場じゃなかったら、できれば目立ちたくないと思っています(笑)。でもそんな自分を変えたい!と思ってエントリーしたので、とにかく何度も何度も練習しました。

hivebito3-4.jpg <kintone hive matsuyamaで登壇する岡崎さん>

スティーブ・ジョブズが好きなので、動画を見てプレゼンスタイルを参考にしました。間の取り方、手振り身振りなど。本番で緊張したとしても、体が覚えていて勝手に動くくらいになるまで練習しましたね。幕張のkintone AWARD の時は、会場リハーサルの時にステージで歩幅を測って、宿泊先のホテルの廊下で歩きながら練習しました。

------発表内容はどうやって考えたんですか?

エントリーを考え始めた時点では、kintoneを導入してから日が浅く、あまり活用は進んでいませんでした。だから逆転の発想で「登壇したらこういうことを話したい」という理想を考えて、そこに向けて運用を進めていきました。

見えない課題を必死にあぶり出して、それをアプリにしていきました。hive登壇という目標が明確だったので、短期間で一気に構築・運用して課題解決が進みました。自分でもすごいエネルギーだったと思います。

------その努力が実ってのkintone AWARDグランプリ受賞だったんですね。受賞後はどんな変化がありましたか?

プレゼンテーションが上達しました。特に新卒採用の会社説明会などで役立っています。おかげさまで会社に興味を持ってくれる学生さんが増えました。

それからグランプリ受賞という実績ができたことも大きいです。自分に自信が持てましたし、社員からも「社長も頑張っているんだな」って認めてもらえるようになって、社内に味方が増えたと感じます。

hivebito3-5.jpg <ご家族と社員の方々とグランプリ受賞記念に>

------「自ら考えて動ける集団になってきた」とおっしゃっていましたね。

僕自身はもともとチャレンジすることが好きなので、これまで社内でいろんなことを提案してきました。そういう提案に対して、以前は「また社長が無理難題を言ってる...」という反応でした。それが最近では「自分たちならできるかも。」という空気に変わってきましたね。テイクアウトのアイデアもそういう社内の空気の変化から生まれたのだろうと思います。

それから社員がkintoneを活用することに積極的になりました。以前はアプリを作るのは僕だけでしたが、今では複数名の社員が作るようになりました。最近は社員の作ったアプリをみて「ルックアップ機能もちゃんと使ってる!」と驚くこともあります。

------それは私たちも嬉しいです!

kintone hiveにチャレンジして、グランプリを受賞したことで、メディアに取り上げていただき、地元で、 「西予市のゆうぼく」と言えば「なんだか尖ったことをしてる企業」というイメージが少しずつできてきたように感じます。

地域のことで市に意見を出す役割をいただいたり、小学校のPTA会長に選ばれたりもしました。今はPTAでkintoneを導入したいと思っています。

------導入、ぜひお願いします!そんな岡崎さんから、これから登壇を考えている方へのメッセージをお願いします。

大人になって表立って何かを競い合う機会ってあまりないと思うんですが、kintone hiveでは、その場で投票されてフィードバックを受けるのがとても楽しかったです。「負けないように発表しよう。そして認められたい」と思いました。

hivebito3-6.jpg hivebito3-7.jpg  <kintone AWARD 投票の様子>

人は、「何か成し遂げよう、変えたい」と思って行動すると、普段以上のエネルギーが出ます。 kintone hiveは会場・運営方法などが素晴らしく、最高の舞台です。「何か成し遂げよう、変えたい」という気持ちがある人にとって、チャレンジする絶好の機会だと思います。

------最後に、岡崎さんにとってkintone hiveってなんでしょう?

自分が変われる場所であり、変わった場所、ですね。

もともと内向的な性格で、自分は経営にはむいていないと思っていました。だから最初は企業に就職したんです。ある時、苦手な業務を担当することになりました。でもやってみたら、意外と楽しくて、実績にもつながって、気づいたら好きで得意な事になっていたんです。その経験から自分ができないと思っていたこと、苦手なことにも挑戦して、殻を破りたいっていう欲求が高まっていきました。

それで経営に挑戦することを決心しました。どん底の時期もありましたが、kintone hiveに挑戦したことで、自分に自信がつきました。できなかった自分を覆すことに幸せを感じるようになりました。

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------自分を覆すことで幸せを感じるって素敵ですね。

最近では、全くできなかった料理にも挑戦して、1品1品レパートリーが増えています。

------素晴らしいです。岡崎さんのお話に、私たちも勇気づけられました。ありがとうございました!

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