【新連載】業種マスクが行く その0:業種マスク、登場

はじまり

俺はゆっくりと花道を歩いていた。まわりをロープに囲まれた四角いリング、そこが俺の目的地だ。

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さきほどまで、予想だにしなかったメイン・イベントの結果にざわついていた観客たちは徐々に静まり返ってきた。 観客たちの戸惑いの声が聞こえてくる。どうやら、俺が何者か分かっている観客はいないようだ。 まぁ、そんなものだろうな。俺の名は...おっと、まだ名乗るには早いかもしれない。

俺はプロレスラーとして、世界各地を転々として、再び生まれ故郷である日本に戻ってきた。 様々なレスラーと闘い(であい)、さまざまな団体(リング)に上がってきた。

いろいろな団体があった。

大金をかけて、他団体からスターを引き抜いてくる団体があった。

平凡な生え抜きレスラーを試行錯誤しながらスターに育成させる団体もあった。

団体側は一切関与せず、レスラー同士の切磋琢磨による成長に任せきりの団体もあった。

...俺はふと思った。こういった団体の特徴、何かに似ている。 そうだ、プロレスに限らず、日本のさまざまな組織が直面している課題と一緒だ。業務改善を行う際に、いろいろな解決策がある。

潤沢な設備投資を行い、各種の業務改善ツールを導入しまくる業界もいる。

反対に、すべて自前で解決策を見つけ出すべく、表計算ソフトを駆使する業界もある。

効率化はすべて担当者の問題とばかりに、各担当者が属人的な手順で業務最適化を図る業界もある...。

...実に興味深い。

おっと、余計なことを考えすぎていた。俺は再び会場内に意識を戻した。 リングはもう目の前だ。鉄階段をのぼり、ゆっくりとサードロープとセカンドロープの間からリングに入る。足元にはマイクが落ちている。

俺はマイクを持ち、観客に語りかけた「おい、お前ら。自分たちがどうなってるか(どういう業務上の課題があるのか)、わかっているのか?」

客席は静まり返っている。

「誰かが何とかしてくれる、トップレスラー(経営者・現場リーダー・担当者)がすべて何とかしてくれる、そう思ってるんじゃないのか?そうじゃない。これはお前たち自身の問題だ。俺はそれを伝えにきた。」

誰だおまえー、というヤジが聞こえた。無理もない...。俺はゆっくりと息を吸い込んだ。

「俺の名前は...業種マスクだ!」

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あとがき

kintone hive onlineをご覧の皆さまこんにちは。「あれ、見るサイト間違えたかな?」と、突然の展開に戸惑われた方も多かったのではないでしょうか? この度、2018年1月より、kintone hive onlineに新しい執筆メンバーの「業種マスク」が加わりました。

様々な業種・業界を渡り歩いてきた中途社員で、素顔は誰も知りません。

これまでkintone hive onlineでは、kintoneの使いこなし術や、導入事例を紹介してきました。それでも、まだまだ多くのお客様に、kintoneで何ができるのか、本当の実力を伝えきれていないなと思うことがあります。

これまで、当サイトや、サイボウズの公式ホームページにおいて、kintoneによって業務を改善したお客様の事例をご紹介してきました。しかし、その一方で、「この事例って色々な条件があったから成功したんでしょ?自分達には到底むりだよ」そんな風に受け取られていないか、心配になってきていました。

例えば、皆さんは成功事例紹介を読んで、次のような理由で成功したのかな、と思っていませんか?

  • 先進的な取り組みを行っている経営者がいた
  • 百戦錬磨の現場のエースが存在した
  • 業務改善のために潤沢な資金を投入できた
  • 業務改善ができやすい業界・業務だった

...これらは業種マスクが放浪先で目にしてきた状況と似ていますね。しかし、kintoneを使った業務改善は、これらの条件が何一つ当てはまっていなくても実現できるのです。

例えトップの理解が得られなくても、絶対的な現場のエースが不在でも、使えるお金が少なくても、抱えている課題が自分達の業界・組織にユニークな課題に思えたとしても、きっと解決方法は見つかります。

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次回からお送りするこの「業種マスク」シリーズでは、「業種マスク」が様々な業界の課題との戦いを通じて、皆様の業務の課題解決のヒントを提供していきたいと考えています。