【新連載】業種マスクが行く その1:kintoneを活用して不動産業界の課題を倒す

俺の名は業種マスク。サイボウズという団体に所属し、世界中に存在するさまざまな業種・業務の課題と日夜激闘を繰り広げている。

今日の相手は、極悪タッグチーム「不動産業界の課題」だ。不動産業界といえば、いわゆる町の不動産屋さんと呼ばれる不動産仲介業が目に浮かぶ。数々の不動産屋さんが軒並み苦戦したという「不動産業界の課題」とはいったいどんな相手なのだろう。不安はあるがトップレスラーになるためにもこの一戦は落とせない。マスクに秘めた俺の闘志は今日も燃えているぜ。

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業種マスクによる、不動産業界の課題分析

ゴングまでまだ時間がある。俺は試合開始前の控室でスマートフォンを手に取った。

ひとくちに不動産業界といっても、建物管理、メンテナンス、カスタマーサポートといった業態もあるようだ。しかし、俺が注目したのは個人顧客の多い賃貸物件などを取り扱う不動産仲介業だ。

不動産仲介業では入居希望者の顧客管理と、紹介すべき物件の管理を行うようだ。それに加え、賃貸契約が成立した場合、契約書類を締結・保管するらしい。

業務の基本となるのは顧客情報管理で、複数の店舗を展開する不動産仲介業者の場合、店舗をまたがった情報共有も発生するようだ。また、入居者に適切なタイミングで契約更新情報を提供することも求められるようだ。

...やれやれ、今夜の相手も苦戦しそうだぜ。俺は控室を後にして、入場ゲートに向かった。

業種マスク、不動産業界の課題に挑む

俺はリングに上り、対戦相手であるタッグチーム「不動産業界の課題」の2人と向き合った。

背の高い黒いコスチュームがベテラン悪役レスラー「顧客情報管理」、数々のタッグチームを渡り歩いてきた難敵だ。小兵ながら鍛え上げられた太い首が特徴的なもう1人が「営業活動の属人化」だ。このコンビに多くの不動産業者が撃破されてきたというわけか...。俺は不安をマスクの下に押し込んで、レフェリーによるボディチェックを受けた。

ゴングが鳴った。相手チームの先発は「顧客情報管理」だ。俺は奴とリング中央でがっぷりロックアップで組み合った。レスラーは組み合うだけで多くのことを理解する。

不動産業界の課題としてよく出てくるのは、煩雑な顧客情報管理だ。小規模な不動産業ではMicrosoftのExcelなどの表計算ソフトで顧客情報を管理しているようだ。不動産仲介業の案件の期間は短い。顧客の多くは短期間で家を探して決めて案件が終了してしまうので、本格的な顧客管理システムを使わない業者も多いようだ。しかし、その日に対応した顧客情報を別の営業日報に書き込んだり、契約成立して契約書を作成する際など、何度も何度も同じ情報を記入しなければならず手間取っているようだ。非効率な業務による従業員からの悲鳴が聞こえそうだ。

また、物件を保有するオーナーさんも不動産業にとっては顧客である。そのオーナーさんから「ダイレクトメールをストップしてほしい」という要望を受けたのに、別の系列店から同じようなダイレクトメールが送られてしまい、てオーナーさんが困惑するということもあるようだ。店舗ごとに行われる顧客情報の管理がオーナーさんの満足度を下げかねないのだ。

顧客情報をITシステムで一括管理して、営業活動の武器にする、そんな顧客管理という基本プロセスだが、世に出回る顧客管理ソフトウェアは高額であったり、多機能すぎたり、あるいは必要な機能が備わっていなかったりといった理由で導入を見送られることがあると聞く。

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概念図:「顧客情報管理」の攻撃。同じ情報を何度も入力している

...気が付くと俺はリング状に片膝を立てていた。ベーシックなはずの「顧客情報管理」の攻撃により蓄積されたダメージで足がふらついている。まずい、このままでは相手の大技を喰らってしまいそうだ。

しかし悪い予想は当たってしまった。「顧客情報管理」からタッチされた「営業活動の属人化」が続いて繰り出してきた攻撃はフォローアップ不足による契約手続き漏れだ。担当者が多忙のため、契約更新のお知らせを送付し忘れてしまうことがあるという。活動が属人化していると、一人ひとりの担当者がどんな案件を抱えているのか、確認できず、チームとしても助けることができなくなる。

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概念図:「営業活動の属人化」の攻撃。顧客フォローを忘れて機会損失が発生している

「不動産業界の課題」の強烈な攻撃に俺はすでに立ち上がれないほどのダメージを食らっている。「顧客情報管理」と「営業活動の属人化」は並んで立っている。まずいことになった、この状況で二人の合体攻撃を食らったら、勝ち目は0%だ。敗戦を予感して閉じかけた俺の瞼に、不動産屋さんと思しき観客がため息をつくのが見えた。ごめんよ、今夜はあんたのフラストレーションを晴らすことができそうにないぜ...。

その時、コーナーから声が聞こえた。「業種レスラー!俺にタッチしろ!」

声の主は今日の試合のタッグパートナーのkintone(キントーン)だ。そうだ、この試合はタッグマッチ、俺には仲間がいる...。俺は最後の力を振り絞り、タッグパートナーであるkintoneにあとを託した。

業種マスクの窮地を救うkintone!

kintone(キントーン)は俺と同じサイボウズに所属するレスラーだ。やつのキャッチフレーズは「誰でも簡単に作れて、スムーズな情報共有を可能にするクラウドサービス」らしい。対戦相手の攻撃をすべて受けきったうえで相手を倒す、という受けの上手いレスラーだ。

颯爽と登場したkintoneはまず、「顧客情報管理」に向き合った。 kintoneの特徴は、「全社員が更新・参照できるオンラインのデータベース」だ。 いちど顧客情報を登録してしまえば、契約情報を作成する際に、その情報を参照することで、同じ情報を何度も入力する手間がなくなる。

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イメージ図:kintoneの得意技、全員が更新参照できる各種情報(データベース)

効果はてきめんだった。ダメージを受けた「顧客情報管理」はロープに逃げるのがやっとだ。

戦意喪失した「顧客情報管理」にかわってリングに登場したのは「営業活動の属人化」だ。kintoneの情報共有の仕組みにかかればすべての情報をチーム全体に共有できる。全営業所員の個別の営業活動がどのステージにあるのか一覧で見ることができて、案件の引継ぎも容易になる。さらにkintoneの標準機能であるリマインダーを使えば、契約更新2か月前に営業部全体に通知を行う、なんてこともできる。個人の力に頼らずに、チームで仕事をする仕組みを創り出すこともできる。

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イメージ図:kintoneのリマインダー攻撃。リマインドが必要な個人・団体に自動的に通知できる

kintoneの波状攻撃に「顧客情報管理」も「営業活動の属人化」もリング状に大の字だ。これで俺たちのチームの勝利だ!あとはフォールするだけ...そう俺は確信した。しかし、ここでkintoneは俺にタッチを求めてきた。...俺が、フィニッシュするのか?

戸惑う俺にkintoneは檄を飛ばした。「業種マスク、勝負を決めるのは不動産業界の課題を打ち負かしたい』というお前の意思なんだ!」

そうか、kintoneはあくまで俺のサポート、これは俺の戦いなんだ。吹っ切れた俺は必殺技である業種バスター(変形ネックブリーカードロップ)を決めた。「ワン・ツー・スリー!」

...試合終了を告げるゴングが鳴った。

試合結果:第5試合 タッグマッチ一本勝負

〇業種マスク&kintone (チームサイボウズ)

(11分35秒 業種バスターからの体固め)

顧客情報管理&×営業活動の属人化 (チーム不動産業界の課題)

レフェリーから勝ち名乗りを受ける俺の視界の片隅には、立ち上がって喜びを爆発させる、さきほどの不動産屋とおぼしきの観客の姿が見えた...。

おわりに:kintoneを使った不動産業の業務改善について

サイボウズが提供するクラウドサービスkintone(キントーン)は、お客様自身で業務改善ツールを作り上げることができるサービスです。

ITのプロにシステム導入を依頼する必要も、高額な顧客管理ソフトや不動産業務パッケージソフトウェアを購入する必要もありません。あらかじめ用意されている標準パーツを組み合わせるだけで、不動産仲介業で必要な顧客管理・物件管理を行うアプリケーションが作れます。もちろん、プログラミングは不要ですし、システム開発の特別な知識すら必要ありません。

お客様の事業所固有の業務手順がある場合、一定範囲であれば、ご自身で標準機能の設定を変更することで対応することができます。もし、標準機能で実現できない業務があっても、広く普及した技術であるJavaScriptを使えば、kintoneで作成したアプリケーションを自由自在に改変することができます。また、JavaScriptを使いこなすことができないお客様のために、さまざまなニーズに対応する有償・無償のプラグインも様々な企業から提供されているので、プログラミング知識が無くても簡単な操作で改変を行うことができます。

今回の業務マスクがご紹介した課題は、5-10程度の複数拠点にまたがる中規模の不動産仲介業を念頭におきました。ただ、今回ご紹介した顧客管理の方法は、これより大規模なお客様でも、1-2店舗だけの小規模なお客様でも適用可能です。また、同様にオーナー様向けの物件管理や、建物管理、カスタマーサポートといったほかの不動産業務に適用することも可能です。

サイボウズのkintone事例紹介にも、不動産業界・物品賃貸業におけるkintone活用事例が紹介されているので、ぜひご覧ください。

OS依存システム問題を解決したい! わずか1時間で日報システムをクラウドサービスへの移行に成功 (川島不動産 様の事例)

Excelファイルの散在に限界! "自分で作れる賃貸管理システム"としてkintoneを提案 (アルコ様 の事例)

でも、繰り返しになりますが、kintoneを使いこなすのはお客様次第、ここで紹介されていない改善方法をお客様で考えていただくことも可能ですからね。

サイボウズが提供するkitoneはすぐ使えるクラウドサービスで、初期費用は不要。気軽に使える月額制です。無料お試し期間もあるので、まずは30日間お試しいただき、効果を実感してみてはいかがでしょうか?

自分たちで導入できる自信が無いな、という場合、東京・大阪の2拠点で担当者が対面でご説明をする「kintone導入相談カフェ」というサービスも提供していますので、こちらもご活用ください。

それでは、次回の業種マスクの活躍をお楽しみに!