#38:業務改善ができる製品に仕上げたかった 〜グレープシティ 山崎さんに伺う「krew」に込められた想い〜

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kintoneのパートナーさんと楽しくキントーク!

ゲストは「krew」プラグインが有名なグレープシティの山崎さん。 230社以上が契約した人気プラグインについて、開発の経緯から込めた想いまでをお聞きします。

ただスゴイだけではなく、皆さんの業務改善に役立ちたい。 そんな拘りを伺うことができました^^*

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グレープシティさんとkrewシリーズについて

(00:00〜)

松井:今日のキンスキラジオでは、kintoneのパートナー様にお越しいただきました。kintoneの中でも非常に有名な支援系サービスのメーカー様だと思います、グレープシティの山崎様にお越しいただきました。どうぞよろしくお願いします。

山崎:よろしくお願いします。

松井:グレープシティさんといえば、「krewSheet」「krewData」「krewDashboard」、krewシリーズが非常に有名かと思いますけれども。まだご存じないかもしれないです、グレープシティという会社自体もあまりご存じない方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。

山崎:はい。グレープシティの山崎と申します。よろしくお願いいたします。元々弊社は、開発者さま向けのツールというのを作ってまして。そのツールの経験、ノウハウを生かして、kintoneのプラグイン、「krew」という製品を出させていただいているという形になってます。

松井:ざっくりと今、3つプラグインの製品があると思うんですけれども、簡単に紹介いただいてもよろしいですか。

山崎:はい。まず「krewSheet」という製品がありまして。こちらは、kintoneの一覧画面を、Excelのようなスプレッドシートで、kintoneのレコードを編集していけるというようなプラグインが、まずkrewSheetという製品になっています。

あと2つ、krewDataという製品なんですが、こちらはバッチ処理的な製品になってまして。kintoneのアプリ間の集計ですとか、kintoneのアプリ間だけじゃなくて、アプリの単体の集計でもいいんですけれども、そういったところ、カスタマイズが必要になるような集計処理というのを、プラグイン上でノープログラミングでバッチで実行させることができるという製品になってます。

最後krewDashboardという製品は、そのままなんですけども、kintoneの画面上に複数のグラフですとかピボットテーブルを配置して、ダッシュボードを作れるという製品になっております。

松井:本当に高機能なというか、求められることが多い機能が揃っているプラグインだなと思っていますし、見た目の分かりやすさというか、デザイン的なところでも。Excelだったり、皆さん慣れてるツールに近いところがあるので、そういった意味でも入りやすいものだなと思っていて。一昨年ですよね、「krewSheet」。Cybozu Daysでご一緒させていただいて。ほんとびっくりしましたよ、あの時はもう。

山崎:いえいえ。一緒にセッションをやらせていただいたんですよね。ハンズオンセッション。本当に一番最初のところから松井さんにはお世話になってまして。

松井:いっぱい人が集まって。やっぱりExcelというところの置き換えというところで、見た目までExcelになる、Excelライクになるっていうところの認知度の高さを感じていたんですけど。

プラグインへの拘り

(03:01〜)

松井:(03:01〜)去年のCybozu Daysでも、またびっくりさせられたというか。「krewDashboard」でグラフのところもすごく分かりやすいんですけど、個人的にはDataのほうがびっくりし、バッチ的な処理。まさにkintoneは、弱いといわれているところですよね。それがしかもプラグインで、アプリの設定画面からできる。

あれはすごいなというか。プラグインにしようというのは、こだわりのところだったんですか。

山崎:そうですね。そこはもうkrewシリーズは、kintoneのプラグインになっているところでポリシーを持って、そこはたぶん崩れずやっていくんじゃないかなとは思っています。

松井:他の外にある製品、画面が別の外の製品であれば、例えばData的なバッチで何かしたりってあると思うんですね。それもプラグインに寄せるって。ちょっと技術的なことはもしかしたら難しいところがあるかもしれませんが、ああやってプラグインに寄せるところって何なんですか。

山崎:やっぱりkintoneの良さを拡張していくというところに、すごくこだわりたいというところで。kintoneのお客さんはkintoneの中でやりたいのがファーストチョイスだと思いますので。そのkintoneの中でどれだけ拡張できるかというところにこだわって差別化していきたいというところはあります。

松井:やはりkintoneの画面からで完結できたほうが、シンプルというか、分かりやすいというところなんですね。

山崎:そうですね。実際その機能としてできるかできないかというところの前に、お客さんで心理的な障壁って絶対あると思うので、中で完結させたほうが絶対導入しやすいと思いますし、そういうところはありますかね。

松井:確かに別画面にすると、それはそれでIDパスワードもまた生まれて、それを管理して引き継いでいくというところなんかも発生するかもしれないので、そこの一歩二歩のところが減るだけでも大きいとこかもしれないですね。

山崎:その辺の、製品の特性によってだとは思うんですけれども、我々としてはkintoneのプラグインという形で、個別にインテグレーションしてるというか、作っているので。そこはやっぱりキープしていきたいかなと思っています。

山崎さんとkintoneの出会い

(05:17〜)

松井:今おっしゃっていた、kintoneに合わせてというか、kintoneの良いところをうまく引き出してくださってるというか、そこを生かしてくださってるなという、各製品の感覚が私はあるんですけども。そもそも、その出会いというか、どういったところから、我々の製品を作るという話になっていったんですか。

山崎:元々は、先ほど申し上げました、開発者さま向けの部品というのも、我々は扱っているので、その製品、JavaScriptのライブラリーがあるんですけれども、それをカスタマイズ用に販売するという形でパートナリングはスタートしてたので、kintoneの開発者さま向けに対して部品を提供していったという形に最初はなります。

松井:表計算とかExcelのような見た目だったり、使い勝手をするような開発ツールのところを。元々そちらがメインというか。そちらですもんね。

山崎:はい。メインは元々そちらでやっててという感じですね。

松井:で、うちのほうから回ってる、「そういったところをやってみませんか」というところがきっかけだったと思うんですが。そこからkrewSheetが出てきたというところが。結構そのツールの連携のところが、反響が良かったということなんですかね。

山崎:反響は全然なかったです(笑)

松井:え(笑)

山崎:反響がなかったというよりかは、少なかったですね。ご紹介させていただいたお客さまに対しては、非常にご満足いただいてたんですけれども、やっぱり開発が伴うというところがあったので、そこがどうしても、一般のエンドユーザーさんには作り込むってやっぱり難しいところでもあると思いますので。そういった意味で、なかなか「開発ツールとしてこの市場でやっていくというのは難しいかな」という感覚はありました。

松井:そこで大きく話題になったというか、広がったわけじゃないけれども、ここでお客さんとつながって生の声を聞けた中で、「これはいけるんじゃないかな」という感覚があったというところなんですかね。

山崎:そうですね。すごく、ご紹介させていただいたお客さまが、反応がよかったというのもありますし、サイボウズさんの反応というのも良かったですし。

あとは、私が実際お客さまのところに行かせていただいたときに、「kintoneってこういう使い方を皆さんされているんだな」とか。あと「こういうニーズがあるんだな」っていうところをキャッチアップさせていただいたときに、もう少しエンドユーザーさんがご利用しやすい形に我々が提供できれば、かなり使っていただけるのではないのかな、という感覚はありましたね。

山崎さんから見るkintoneの良さ

(08:02〜)

松井:山崎さんがその辺りの企画から一環してkrewを見てこられたというか。

山崎:そうですね。新しい製品なので、そんなに何人も最初から企画するという形ではなかったんで、最初に私のほうから企画をあげさせていただいて、製品リリースまではやらせていただきました。リリースまではというか、その後もやりましたけど。

松井:そこから製品化に至るまでの中で、たぶんkintoneのいいところというか、そういうところも感じていただけての製品化なのかなとは思いますけど。

山崎:もちろん、もちろん。

松井:どういったところが良いというか、kintoneをお好きなところですか。

山崎:やっぱり誰でも簡単に作れるという、その障壁はどんな製品よりも。そう謳ってる製品っていっぱいあるじゃないですか。でも実際本当にそうなのはkintoneだと思いますし。

あとは、ツールの販売をさせていただいたときに一緒にやらせていただいて、単純に楽しかったというのはあるので、この市場でもうちょっと仕事がしてみたいなというふうな気持ちにはなりましたね。

松井:これ山崎さんの個人的なあれですよね、楽しかったってどういうことですか。詳しく聞いてみたいです。

山崎:何というんですか、活気が市場にありますし、サイボウズさんの会社の中でもそうですし、我々が元々そういう開発ツールというもの、割とニッチな製品だと思うんですけれども、そういう製品の中でもすごい良さを見つけてくれたりとか、これをお客さんに紹介したいというような熱とか。

あとは実際にエンドユーザーさんとお話できて、エンドユーザーさんもそういう熱を持っておられてというところで。すごく熱い市場だなというふうに思いましたね。

松井:エンドユーザーさんの熱というのは、業務を改善したいんだというような気持ちとかですね。

山崎:そうですね。そのお客さん層が、すごく幅広いというのもありますよね。今まで全然システム使っていなかった方から情シスの方まで、すごい幅広い方々が業務改善これでできたんだよ、というようなところで、やりたいというところとか。

あとはパートナーさんもそうですし、紹介されてる方々の熱というのも非常に熱量が大きいなというふうには感じましたよ、確かに。

松井:いろいろな立場の業務改善をしたい、もしくはそこを助けたいみたいな人が周りに集まってる、そういうとこなのかもしれないですね。じゃあある意味、そういったところにも惚れていただいてというか。

山崎:そうですね。きっかけは本当にそうだと思います。

krewSheeのリリースまで

(10:56〜)

松井:で最初「krewSheet」が出てきてというところだったんですが、実はkrewSheetよりも、その後のDataとかDashboardも先にというか、そういう感もあったんですよね。

山崎:そうです。元々いろいろkintoneのことを知るにつれて、アプリ間の集計ニーズ絶対あるだろうなというところ。Dashboard的なところももちろんそうなんですけど、あるだろうなというところもあって。

krewSheet、Excelのような一覧編集の要望もどっちもあるなというふうに思っていて、先にどっちを出そうかなというのが考えてたというところで。一番最初の企画の段階から構想はありましたね。

松井:最初にkrewSheetが出てきたというところは、分かりやすさとか、そういうところなんですかね。

山崎:そうですね。分かりやすさもありますし、あと他の製品で同じようなことをやってたので、そこから作りやすく、早く市場に対して出せるというところもあったので。「スピード感」と「分かりやすさ」というところで、最初にkrewSheetを出そうという形になりました。

kintoneの延長線上にある製品を目指して

(12:03〜)

松井:本当にどの製品取っても、kintoneの苦手というか、kintoneを使っているお客様が「もうちょっとここまでしたいんだよね」みたいなところをうまく救ってるという、そういう感覚はあったんですけれども。自社のノウハウというか、「ライブラリーがあるからこれ」みたいな形で進んだんですか。

山崎:両方ですね。もちろん我々の得意分野というところが、kintoneにすごくはまるなというところもありましたし。ただそれだけだと失敗するという感覚は持ってたので、どうしてもお客さんのニーズというところがどういうところにあるのかはすごく慎重に考えましたし、逆に、サイボウズさんが出しているkintoneに対してのメッセージとか、kintoneがなんで便利なのかというところをもうちょっと掘り下げて、そこに対してちゃんと機能拡張できるように。

kintoneの便利なところは残しながら、ちゃんと、さらに便利になるという。その延長線上に自分たちの製品があるという位置づけで考えていくというのは、結構大事にして、開発のほうは進めましたね。

松井:結構弊社の製品のkintoneを研究してくださったというか、ユーザーさんとかに話を聞きながら調査もやったんですかね。

山崎:調査というよりかは、元々そのツールのところをご紹介いただくときに、サイボウズさんの営業さんにもお声掛けいただいて、実際にお客さま先に同行させていただいて、そこでいろいろニーズを把握したりですとか。

あとイベントがたくさんkintone周辺はあるので、そういうところで今度はちょっとまた違う視点を持ってるサイボウズさんの営業の方々とか、パートナーさんとか、あともう少し開発をされてる方とか、いろんな方々の話をそこで聞きに行ったということをやりました。

導入社数230社超について

(14:06〜)

松井:この前、つい先日なんですけど、先週「kintone hive 東京」があったんですけれども、そこで私がすごいなと思ったのは、既にお客さまのほうが230社ほどいらっしゃってというようなお話を、製品のマネージャーの方がお話をくださっていて。この2年の、krewSheetが出て2年半(※正しくは、1年半の誤りです)経つというところで、230社って結構数が伸びてるところじゃないかなとは思っていて。

確かに製品の認知というか、お客さんの注目の高い製品ではあったんですけれども、それぐらい反響というか、お客さんの好意、欲しさ、ニーズが高まってるんだなというのを感じたんですけれども。率直に今の230というのは、どういった数に見えてるんですか。

山崎:あんまりピンとこないといっちゃあれですけど。何ですかね。非常にたくさんのお客様に使っていただいているという感覚はもちろんあって、非常にありがたいなと思ってます。

もっともっと増やしていきたいというのはもちろんあるので、あくまでも通過点として、もっとこれから幅広く、さらに幅広くお客さまのニーズを解決できるというところをやっていくというところでは変わらないので、あまり何社になったからとかというところは。戦略的なところはあるんでしょうけど、本質的なところではそんなに変わらないので。

自分たちがやっていくとかやらなきゃいけないところは、ぶれずにやっていきたいなというふうには思いますけども。

krewを社内に提案したい方へ

(15:56〜)

松井:ちょっと踏み込んだところになるかもしれないんですけど、私がお客さんとか紹介していく中で、「krewの製品が欲しいんだよね」「これいいよね」とおっしゃってくださるんですけど、これをどう社内に予算的に申請していこうかなというところで、課題を、悩む方って、結構数として少なくないんだなという気がして。

これは、決して高い安いじゃないと思っているんですよ。私なんか、kintoneの性質として、単体でもすごく業務改善も使えるんですけど、後から連携サービスを加えるというところが、予算を申請する上で、上から「何でそれ先に言わなかったの」みたいに見えることが、どうやらあるらしいですね。

kintoneって、使ってみて良さにも気づけば足りないところにも気づいてきて、そこの足りないところを補おうと思って連携サービスを探したら、いい製品があって。でもこれをどう上に納得してもらうかなというふうに悩む方が、数としては少なくないんだなというのが、私いま回ってて感じるんですけど。

例えばkrewの製品をこんな感じで説得というか、社内を説明しやすい、もしくは他に「説明してたよ」みたいなところがあれば教えてほしいんですけど。

山崎:やっぱり価値を感じていただくという必要が、当然あるのかなと思いますので、その価値をどういうふうに届けていただくかという形になると思うんですけど。

我々のほうでやれることというところに関しては、たぶん稟議(りんぎ)とか、具体的にはそういうところにも。社内の他の方々にご紹介するときには、どういう製品で、自分たちの中でどういうふうに使えるのかというところを、たぶんご説明してもらう必要があると思うんですけれども。

その部分に関しては、我々のほうでしっかりとした情報提供をしていると思ってますので、製品がどういう製品なのかというものは、製品資料としてかなり詳しいものを渡させていただいているというのは、そういった場面でも使っていただきたいというところがありますので、ぜひウェブサイトのほうから。

単純に製品紹介のページだけじゃなくて、製品資料というのも出していますので、製品資料を活用いただいて、「こういう製品なんだよ」というところをご紹介いただきたいのと、あとそれを実際の中でどういうふうに使っていくかというのは、実際にお客様ごとに違う部分に関しては、説明をお願いする形にはなると思うんですけど。

あとは事例ですかね。この製品を使ったことによって、このぐらい業務改善があったよという事例も、今後どんどん増やしていきたいと思ってますので。我々として提供できる製品の資料の部分と事例の部分というところを、ぜひ活用いただければなと思います。

松井:機能、事例のところで、訴求しやすいところというか。上の方に。上の方は、見るところは機能じゃないじゃないですか。見るところ、説明しやすいところって、どういったところになりそうですか?

山崎:やっぱり数字のところが分かりやすいかなと思いますけど。何時間削減とか。あとは、どうしても事例だけで難しかったら、実際画面見てもらって、これがこんな感じになるんですというようなビフォーアフターとか、というところも一つの手かなとは思いますね。

松井:そういう事例だったりですと、こういったところをこう使って削減できるポイントというか、そういったところって、共通点みたいなのはあるんですかね。

山崎:今事例がちょっと多く、元々krewSheetのほうを最初に出してたのでkrewSheetの事例が結構多くなってきてるんですけれども、やっぱり一番は「たくさん入力する項目が多い」とか、「レコード数が多い」とか。入力の項目が多いっていうケースでは、かなり効果は出るのかなと思いますね。

あとはもう、やれるやれないの世界で、元々Excelでやってたものをkintoneで一元化したりとか、そういうときって、kintoneそのものの良さというところがあるんですけど、どうしてもkintoneにのせていくことによって現場の操作性のところが若干難しくなってきてしまうというケースでは、さらに我々の製品を使うことによってもう完全にExcel等使わなくていいですよ、この業務は。というところで、ご理解いただけるんじゃないかなというふうには思いますね。

松井:前のかかっていたこれくらいの時間は、kintoneプラス、さらにこれが入ることでこれくらい削減されるといったところを、うまく算出していきながらというところが、分かりやすいところかもしれないですよね。

Excelと比べた、kintone + krewSheetの良さ

(21:13〜)

松井:結構kintone、例えばkrewSheetといえば、Excelから離脱しようと思ったのでkintoneにしたら、「あれ、まだExcelなんですか?」みたいにいわれるというか、印象としてそうお持ちになることもあるかもしれないんですけど、ここにさっきおっしゃっていたkintoneの良さというところがあるかなと思うんですけど、そこってどういうところだなという印象があります?

山崎:やっぱり誰でも早くデータベースの情報を共有できる基盤を作れるというところが、まず一番のところかなと思うんですね。その上でコミュニケーションのツールになったり、アクセス権のところをしっかりつけられて、ガバナンスを利かせられるというところとか、プラスでワークフロー的なプロセス管理があったりとかというところが、一番魅力的なところなんじゃないかなと思いますね。

松井:そういったExcelで管理しきれない部分というか。アクセス権もそうですし。私なんか、通知なんかも喜ばれますけれども。ああいったところあるけれども、操作性的には、やっぱりExcelのほうが一括でバッて変えられるとか。

山崎:そうですね。元々個人で使う分には、すごく強力なツールなので。我々として意識したのは、kintoneの良さを潰さないで操作性を提供するというところには、こだわって作ってますんで。

どうしても、我々のツール、製品を、プラグインを入れたことによって、元々kintoneでやれてたことができなくなっちゃうと、どうしても本末転倒というか、本当の意味での業務改善につながりにくいので、トレードオフにするんじゃなくて、しっかりプラスアルファでよさを拡張できるような所にするように作っていったというところは大きいですかね。

例えばデザイン画面に関しても、kintoneの一覧画面を作るのと同じような形でできる。やっぱりいろんなことを覚えるって、お客さんとしてはすごく負担なんで、どうしても「kintoneとExcelは知ってるでしょう」という前提にはなってしまうんですけれども、その2つさえ知ってれば、「じゃあ我々の製品を扱えるよ」っていう状態に持っていくっていうのは結構大事なのかなと思ってまして。あんまり個別の、固有の動きとかをすると、障壁がどんどん高くなってしまうので。

「なんかすごい」だけの製品にしたくなかった

(23:55〜)

松井:そこってとっても大事なところだと思うんですよね。kintoneの良さも残していただきつつというか。kintoneをすごく研究してくださっているというか。そこをリスペクトと言っちゃあれですけど、非常にkintoneとの親和性を考えてくださってるなというのを感じるんですけど。それってツールを提供されてる会社さんなので、元々そういう会社の方針というか、文化があるものなんですか?

山崎:もちろんお客様のニーズ、お客様の声は大事だよというのは、当然事業をやっている上でもちろん大切になるんですけれども、その上でkintoneのお客さんがどう使ってるのかというのを理解しないと、ただ「いいね」っていう製品になっちゃうというか。「これなんかすごいね」っていうだけの製品になっちゃって、業務改善につながらないというのがあって。

ほんとに機能としていい機能を提供して、さらに業務でお客さんが改善できるとか、実際にお金を支払っていただいて購入いただくとか、そこにはすごくハードルがあるなと思っていて。ただすごいねと言われるような製品じゃなくて、実際に業務改善をする、できるという製品に仕上げたかったというところを考えると、やっぱりkintoneのよさに乗っかってというか、延長線上に自分たちの製品がいないと、本質的な改善にはつながっていかないのかなというところで、お客様にも受け入れられないのかなというのがあったので、そこはすごく考えたというか、お客様のヒアリングというところは、していった部分でもありますかね。

松井:今日お話しをしてて、そこにすごい拘りというか。そこがとても、krewの中で、もしかしたら特徴的というか、大事な根幹なのかもなと思ったのが、お客さんの改善というところと、効果を高めてもらうかというのは、すごく優先度を高くされてる。これって簡単なようで実は難しいんじゃないかと、僕は今思っていて。

いろんなkintoneのパートナーさんがいて、自社の持ってる今までのノウハウとか知見とかツールを元に、kintoneとつながるものを出してくださる方って、とてもありがたいことに多いんですけども。krewって、いまさっきも230社というのがあったんですけど、伸びているとこって何だろうなと思ったときに、自社の元々あったツールありきじゃなくて、まずお客さんの課題があるということ。

それって、krewDataなんかが、まさに分かりやすい例な気がしてて。krewDataってバッチで裏側で線引いたら、kintoneのデータを自動で処理できますよってありますけど、あれって別に、元々グレープシティさんでそういう知見というか、そういうツールがあったわけじゃないですよね。あれを出そうと思ったのは、「これ必要だよね」ってとこだったんですか。

山崎:そうですね。絶対そこはお客さんとして欲しい部分だろうなっているのはもちろんあったんで、あれは本当にぜひやりたいなと思ったんですけれども。

kintoneの標準機能でやるべきじゃない部分

(27:13〜)

山崎:(27:13〜)あとはkintoneの中でそこってやるべき内容じゃないというか、kintoneの標準機能の中でやる部分じゃないのかなというのもあったけど、でもお客さんとしてはやりたいっていう、なかなかもどかしい部分だったと思うんで、そこはやっぱりカスタマイズなしで実際にやっていくっていうところは、我々の製品が何を持ってるかとか、自社にどういうノウハウがあるのかというところは、あんまり当初スタートラインでは持ってなかったですね。どういうふうな、何をやりたいのか、お客さんがやりたいことって何なのかっていう、このことから考えていった部分ですね。

松井:kintoneでやるべきじゃないラインがあるね、っていうのをぼそっとおっしゃってましたけども、やるべきじゃないというは、もうちょっと、どういう意味なんですか?

山崎:それは単純にいちユーザーとしてのただの意見であるので、全然内部の人間ではないので勝手な判断ですけど(笑)

やっぱりkintoneの良さって、さっきも言ったように、誰でも簡単に作り始められるということだと思うんで。よく我々のような開発系の、開発側からすると、機能を追加するのはいいっていう判断をしがちなんですけど、そこをやらないで。機能を追加するということは、どんどん製品が複雑になっていくということに絶対つながってしまうので。

でもkintoneの良さってほんと、何なの?って突き詰めてきたときに、「誰でも簡単に使える」。システム触ったことない方々でも、アプリ作れるよってところ、すごく大事な部分、根幹だと思うんで、そこをキープしながら、そういうアプリ間の集計のところとか、そういう複雑な要素を入れていくと、やっぱりそっちに少し影響されてしまうというのもあると思うんですね。そういう複雑性が増してしまう。という意味で、そのコアなところは守ってほしいっていう、個人的な希望があって。

じゃあそこじゃできない部分というのが、我々のような連携サービスとかプラグイン化しているようなパートナーが補完していくというスタイルが、本当のkintoneのエコシステムとしてある、自分なりの、私なりの正解なのかなというところがあるので、そういう形で乗っかっていくというか、連携させていくというのもいいのかなと。

松井:結構私も回ってると、「サイボウズさん、krewを買収して、標準機能に入れてくれよ」みたいに言われることは、ままあるんですけど。

山崎:全然やっていただいてもいいですけど(笑)

松井:いえいえ(笑)できるできないかは別として、ただそれやってしまうと、今はいいんですけど、もっとそれを良くするというところに、たぶん我々が、krewさんほど力を掛けられないかもしれない。

全体として良くしないといけないですし。画面も増えるし、そこも考えて、何か他のもつながる、考えていくというか。全体を考えていくとなると、いろいろと逆にkintoneが使いにくくなる面が出たりとか、遅くなる面が出てくると思うので。

そういった点では、我々はシンプルにというか、ほんと根幹のところに力を入れつつ、グレープシティさんのようなパートナー様、強みを持ったパートナー様とつながりながら、足りない部分をここで補完するという、いい関係性なのかなと感じています。

山崎:そうですね、もちろん。我々の製品でなくても全然、kintoneで業務改善はできますから。そこはしっかりとした幹の部分のコンセプトがしっかりしている中で、もう既にお客様に受け入れられているという部分があっての、さらにプラスアルファでどうやって広げていくかっていうところなのかなと思うので、そういったところに貢献できれば嬉しいなと思いますけど。

松井:ありがとうございます。本当にそのお客様の業務が、どう改善にお役に立てるかみたいなところを考えている、グレープシティさんもそうですし、もちろん我々も考えてますし、kintone界隈って、そういう人が集まってるところかなと思いますので、ぜひお聴きの皆さんにも、お力になれればなと思います。

最後に

(31:44〜)

松井:krewはこういったところにはなるんですけど。私、今日実は、今グレープシティさんの仙台の本社にお邪魔しているんですけれども。ぜひ皆さん、グレープシティさんのホームページ、一度検索してみてほしいんですけど。なんかめちゃくちゃ綺麗なところなんですよね。すごいなんか......

山崎:雨降っちゃってますけど(笑)

松井:残念ながらきょうは雨なんですが、お昼休みとか、ランチをピクニックできるような、そんなところにあって。意外とというか、たぶん皆さん全然ご存じないと思うんですけど、 グレープシティさん、最初はツールからじゃないんですよね。始まりは。会社の始まりってどういったところですか。

山崎:ツールは学校会計のシステムを作り始めたというのがきっかけで。関連会社で幼稚園がありまして、その幼稚園の中で経理のシステムを自社で作ってまして、それを外販するというところからのスタートになりますね。

松井:日本からですよね。

山崎:そうです。

松井:そうなんですよ。私も最初、海外の会社さんなのかなと思ってたんですけど、仙台に本社があって、ワールドでいうと800名ほどですかね。いま社員さんがいらっしゃるんですけど、ほんとに仙台が拠点で。

kintoneのような連携ツール、開発系というか、そういったソフトウェアがメインなのかなと思いきや、教育系の事業もやられていて。で、本社には撮影スタジオもあるみたいな。私も見せてもらったんですけど、ほんと面白い会社さんだなって改めて思いました。

なので、そういったところも含めて、krewのところ、ご存じなかった方、ぜひ使ってみていただきたいなと思いますし、グレープシティさんという会社さんも、とても面白いというか、素敵な会社さんなので、ぜひホームページも見てみていただければなと思います。

で、ぜひkrewに興味を持った方は、お試しが。30日間ですかね。

山崎:無償のがございますので。

松井:ぜひそちらを申し込んでいただきまして、kintoneを実際試してみていただいて、その効果を見てみていただければと思います。  実際詳しいところが気になった方なんかは、何かご相談もできる場所とかもあったりするんですか。

山崎:そうですね。お問い合わせフォームもご用意してますし。直接コンタクトいただいても全然構いませんので。

松井:セミナーなんかも。

山崎:そうですね。他社さんと共催でセミナーというのを、かなり頻繁にやってますので。kintoneのウェブサイトからセミナーページへ行っていいただけると、我々が参加している、共催しているセミナーがたくさんありますので、ぜひそちらにも足を運んでいただけると、非常にありがたいなと思います。

山崎:ありがとうございます。ぜひ本文のほうにもkintoneのセミナーページのリンクを載せておきますので、そちらページ内検索で「krew」と、検索もしてみていただければと思います。

松井:それでは、本日のゲストは、グレープシティの山崎さんでした。本日はありがとうございました。

山崎:どうもありがとうございました。