仕事への意欲は、性別や勤務体系によって異なる?ビジネスパーソン416人の"ホンネ"回答を公開

昨年11月に開催されたサイボウズの自社イベント「Cybozu Days 2020」では、製品の基本や活用事例、ワークスタイルやチームワークへの取り組みなど、サイボウズならではのテーマに関する講演が行われました。

その中のひとつ、20代女性のホンネをもとに【働く上での「あたり前」】をテーマとしたセッション『サイボウズでもまだこの状態。20代女子のわがまま?働く上で「あたり前」ってなに?』には、多くの反響が集まりました。

ディスカッションをするにあたり「性別や働き方による『仕事への意欲』の違い」について調査を実施したところ、うーんなるほど・・・と思わずうなる様々な回答をいただきました。 今回は、イベント当日には紹介しきれなかった調査結果の全貌を大公開します!

サイボウズでもまだこの状態。20代女子のわがまま?働く上で「あたり前」ってなに?セッション会場の様子

当日のセッションレポートも公開中です。ぜひご覧ください!

▽前編: 産休後の「働かせてもらえるだけありがたい」ってどうなの?
サイボウズの20代女子社員が、将来を不安視する3つの理由
https://logmi.jp/business/articles/323693

▽後編:20代女子が人生を逆算せずにいられないワケ
世の中をアップデートする「あたり前」からの脱却
https://logmi.jp/business/articles/323694

アンケート概要

ビジネスパーソンの働き方は、この1年で特に広まったテレワークや、生活スタイルに合わせた時短勤務、自身の特色を活かした副業に就くなど、多岐に渡ります。
そこで、「性別や働き方による『仕事への意欲』の違い」について日本全国のビジネスパーソンを対象にしたアンケート調査を行いました。
「結婚」「在宅勤務」「時短勤務」―・・身近なシチュエーションについての質問をしました!

対象:全国のビジネスパーソン

回答数:416名(男女20〜50代 各52名)

調査期間:2020年11月4日〜2020年11月6日


設問は全5問で、直感的にお答えいただきました。

男性と女性、仕事への意欲が高いのはどっち?

円グラフ:結婚したての男女のどちらが仕事への意欲が高い印象をうけますか。直感でお答えください。結婚したての男性49%、どちらも意欲に差はない49%、結婚したての女性2%

「結婚したての女性か、結婚したての男性のうちどちらが仕事への意欲が高い印象をうけますか。直感でお答えください。」という設問では、なんと2人に1人が「結婚したての男性」と回答しました。女性と比較すると、男性の方が意欲的だと感じた方が多かったようです。
「男性の方が意欲が高い」と回答した方からは以下のような回答が多く寄せられました。

・女性は妊娠が切っ掛けで退職などもあり得るため。(男性20代)
・女性は家事の事を考えて、仕事に意欲は特にないイメージ。(女性50代)

・男性は家庭をもって、基本、一家の大黒柱になる覚悟があるんじゃないかと。(男性50代)
・昔より結婚を機に退職する女性は減ったが、それでも出産や育児など女性が仕事を続けるには厳しい社会なので。(男性40代)
・女性は結婚すると仕事を退職する人も多い。 妊娠したり、妊娠を意識して仕事をセーブする場合もある。男性より家事を負担する割合が多い。女性は結婚すると仕事以外にも仕事や役割が増えるから、仕事への意識が男性に比べると高くない人が多いと思う。(女性30代)
・一家の大黒柱になるという意識が強そう、女性は妊娠などもあり、仕事のみに打ち込むことが難しいと思うから(女性20代)



女性は、「結婚」や「出産」といったライフステージの変化と共に、仕事よりも家庭を優先するイメージが強いようです。


一方で、給与に関しては男性の方が女性よりもプレッシャーを感じていることがわかりました。

自分の給与に関して、家族を養わなければいけないというプレッシャーを感じた事はありますか。直感でお答えください。男性の回答プレッシャーを感じる55%、女性の回答プレッシャーを感じない49%

「プレッシャーを感じる」と答えた男性からは、「なんとなく」「普通はそうだから」といった回答が多数寄せられました。
また、「家族を養うため」といった回答も目立ちました。

・なんとなく(多数)
・普通はそうだと思うから(多数)

・男性が稼ぐものだから(男性30代)
・直感なので理由は思いつかないです(男性40代)
・世帯主だから(男性30代)
・自分が一家の大黒柱だと思うから(男性30代)
・結婚して妻が専業主婦になってからは、自分が稼がなければとは思う。(男性20代)
・子育てに多くのお金が必要だから(男性30代)



「プレッシャーを感じない」と回答した女性からは、「夫の収入で十分だから」という意見が多数寄せられました。

・夫が働いているし、私よりも年収がいいから。(女性20代)
・家計の足しにというスタンス(女性30代)
・主人が養ってくれるので。(女性50代)
・夫は感じている(いた)と思いますが、私自身は夫の給料で最低限の生活はできるので感じることはない。(女性50代)



収入へのプレッシャーという観点からも、多くの人が「男性は仕事で活躍し稼ぐ」とイメージしていることがわかりました。
セッションでは「プレッシャーを感じる男性の割合が意外にも少ないと驚いた」という40代男性の意見もありましたが・・・皆さんはどのように感じますか??

フルタイムと時短勤務、意欲が高いのはどっち?

フルタイムと時短勤務のうちどちらが仕事への意欲が高い印象をうけますか。フルタイムで働く人35%、時短で働く人8%、どちらも意欲に差はない57%

勤務時間による意欲の違いを聞いた設問では、3人に1人が「フルタイムで働く人」と回答した結果に。こちらも「理由はない」「なんとなく」という声が目立ちました。

・責任がある仕事や、対応などフルタイムの人が担当になるため(女性20代)
・意欲のある人はフルタイムで働いている。(男性50代)
・そりゃそうでしょう(女性40代)

・フルタイムで働くのが普通だと思うから(男性30代)
・仕事重視の生活だから(男性30代)
・業務に携わる時間が長いから(男性30代)
・就業時間が長く、より多くの仕事ができると思うから。(女性30代)



「なんとなく」の背景には、「働く時間が長いから」「フルタイムが一般的」といったイメージがあるようです。この結果をみた方のうち、時短で働く人からは「時間が短くても、フルタイムで働いていたときと比べて、働いている意欲に違いはない。意欲的に働いている」というコメントが寄せられています。

「どちらも意欲に差はない」と回答した人からも、「時間の差は関係ない」という意見が寄せられていました。

・時間の差で意欲は判断できない(男性20代)
・どちらも周囲にいるが、勤務時間の長短で意欲が変わるようには見えない。(女性30代)
・皆さん同じように仕事しています(女性50代)

出社と在宅、意欲が高いのはどっち?

毎日出社と在宅勤務ではどちらが仕事への意欲が高い印象をうけますか。毎日出社で働く人30%、在宅勤務で働く人3%、どちらも意欲に差はない67%

働き方改革の一環としてテレワーク導入が進んでいますが、働く場所における意欲のちがいについて、3人に1人が「毎日出社で働く人」が意欲的であると回答しました。

・出勤して仕事する姿勢が良い(男性50代)
・当然ですね(男性30代)
・なんとなく(多数)

・在宅だとなまけてしまうイメージがある(女性30代)
・在宅勤務だと他の誘惑があり、サボりがちだから(男性20代)
・やはり、会社には行くべき(男性20代)
・環境が大切なため(男性30代)
・通勤時間も仕事の一部(女性50代)



「在宅では集中が出来ない」という印象が強いようで、「会社には行くべき」「緊張感がある」という回答とともに、勤務時間で比較した場合と同様に「当然」「なんとなく」という意見が多く寄せられました。通勤時間も仕事の一部として意欲を感じるという意見も。

お迎えで帰る人と副業で帰る人、どちらが意欲が高い?

子供のお迎えで早く帰る人と副業で早く帰る人のどちらが仕事への意欲が高い印象をうけますか。子供のお迎え33%、本業の後の副業8%、どちらも意欲に差はない59%

最後はイベント当日には未公開の設問です!
仕事を終業する理由において二択で意欲を比較してもらった結果、「子供のお迎えで早く帰る人」の方が「副業に行くために早く帰る人」よりも意欲がある、という結果になりました。

「子供のお迎えで早く帰る人」を選択された方からは、本業の質を懸念する意見が多く見られました。

・副業が頭をよぎると少なからず本業に影響をきたしそうだから(男性20代)
・副業するということは力の入れ方が100%ではない(男性30代)
・副業のほうは多く稼ぐために仕事量をこなす意識が強く効率はいいかもしれないが雑そう。お金に意識があり仕事にこだわりがなさそう(男性20代)



確かに、副業は自己管理のうえで成り立つ働き方ですよね・・・!でも業務時間後の過ごし方は自由で、副業という選択肢もまたひとつのプライベートの過ごし方なはず。

そんな中、「どちらも意欲に差はない」と回答した人からはこんな意見も。

・定時に帰社して当たり前なので、その後は何しても人それぞれ。(男性40代)
・早く帰るって定時できっちり帰る人ですよね?ありえないです。(女性40代)



帰宅理由に限らず「定時に終了する」ということへの前向きな意見ときびしい意見。それぞれの「あたり前」が存在しているようです。

「あたり前」をアップデート

今回の調査では、20代から50代と幅広い世代より回答をいただきました。
こうして調査結果を掘り下げてみると、設問全体で「なんとなく」「特に理由はなし」という回答が多く見られました。「こうあるべき」とそれぞれの固定の価値観が根強くあるのかもしれませんね。

働き方の多様化や環境が目まぐるしく変化する中、組織や社会が変化するとともに自分自身の意識もアップデートできると良いですよね!
皆さんにとって、今回の調査がそのきっかけになれば嬉しいです!